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イラスト描いたり、本読んだりする人のブログです

荻原規子さん『ファンタジーのDNA』感想

荻原規子さんのエッセイ、『ファンタジーのDNA』を読んだのでその感想です。

著者 : 荻原規子
発売日 : 2006-11-01

荻原さんが良いと思った本を紹介する形で綴られるエッセイでした。

荻原さんの本は何度も読み返すくらい好きなので、荻原さんが「良き」と思うポイントがまさにヒットでそうそうそうそう、と頷きながら読みました。その中でも荻原さんと同じような体験をしたことがあるので、その記憶を感想として残しておきたいので記事にしてみました。


荻原さんのファンタジーの根っことして最初に挙げられていた『少年少女世界名作文学全集』は私も読んだことありました。祖母の家にあったもので、暇つぶしに面白そうなのを何冊か読んだだけなので全てではないですが。荻原さんがこの本を最初に与えられて、通しで読み切ったのが良かったとのことでしたが、私も名作と呼ばれる文学を小学生の間に纏めて読めたのはすごい良かったなと、エッセイを読んで思いました。小学生の間は何が好みでどういうのが面白い本と感じるか、そういうことを知らないので、まず名作と呼ばれるくらい現代に残り続けた物語に触れることができたのは良かったです。(確か荻原さんもそう書かれていた気がする)

なぜなら、今、めちゃくちゃ本を読んでるのですがその内で"(私の中で)名作だ"と感じる本が数冊、数十冊に1冊というレベルです。もし小学生のうちにこういう読み方をしていたら早々に本に飽きていたような気がします。物語は面白くない、と。幼い頃の読書体験として、名作と呼ばれる本に一気に触れることができたのは、物語を好きになることができる体験でした。それは、今の読書好きの自分を作ることの一助になったと感じています。

 

ちなみに全集では日本の作家や海外の作家などないまぜでしたが、中でも私が未だに覚えているのは『小公女』、『小公子』、『若草物語』、『ああ、無常』、『ロビンソン・クルーソー』です。冒険や成長物語です。今でもそういう話は好きです。そして大人になるころには『若草物語』、『ああ、無常』(レ・ミゼラブル)が映画化され、子供のころに面白いと思ったことと大人になってから面白いと思う視点が違って、感想が多少変わったりすることも、早くに名作に触れることになって良かったと思う点です。

 

ということで、荻原さんのエッセイを読んで己の読書好きの根元を省みることとなりました。もちろん全集だけが全てではないですが。

なおエッセイでおすすめされているファンタジー本を読みましたが、やはり当たりでした。好きな作家さんがお勧めする本はそりゃ好きだな、と当たり前の気持ちになるのでした。