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威風堂々悪女5 あらぶる感想

著者 : 白洲梓
発売日 : 2021-01-20

んんんんなんんんあんああああああああああああ嫉妬と愛の5巻でした。

表紙はあのシーンですよあのシーンんんんんんんんん燃え。not萌え。

 

雪媛がようやっと皇后にまで上り詰めようとした矢先、皇帝の子供を身ごもった有力貴族の妃が流産したところから始まる5巻。濡れ衣を着せられて、なんやかんやで流刑に処された雪媛。見張りの人とお世話係の娘に出会って憑物が落ちたような雪媛。

十二国記で履修したこともありますね。「裏切られてもいいんだ。裏切った相手が卑怯になるだけで、わたしのなにが傷つくわけでもない。裏切って卑怯者になるよりずっといい」これと同じ状況ですよ。全く同じではないですが、後宮の騙し騙されあい血みどろの世界から離れて、静かに自分を見つめるしかない場所に追いやられて。そこで(ご都合展開だとしても)優しくされてしまって気づくんですね。

「いつの間に、こんなふうになったのだろう。」(初めから人を疑って感謝を伝えない)と。闇が晴れる瞬間ですね。胸熱です。復讐や怒りの雪媛が優しくて気高い人になった。

 

そして今まで上り詰めた地位はやはり、誰かの手によるものであり自分は何も手にしていなかったと気づいたターン。(実際は人脈というものを持っているけど)力を持つ理由は守りたい人を守れる力が欲しいから。でも、権力がなくてもあなたは人を守れると言われるエピソード。(無いに越したことはないけど)改めて自分の願いを認識して、自分で自分を騙さなくなった感じ。多分、次の巻から雪媛は他人への関わり方が変わるだろうな。(多分)

5巻を読む前に思ってたんですよ。転生したのだから転生前の過去を忘れて雪媛は都から逃げたっていいと。自分と自分の周りだけを幸せにすればいいじゃんと。でも違うんだな、知らない誰かやこれから出会う人々が傷つくことが辛いのだな。自分だけがよしとするのでは気が済まない人なんだなと思いました。周りが幸せであればあるほど自分も幸せを感じる人なんだと。世のため人のためであるけど、ある意味自分のためだね。なかなか強欲な人だ。

 

最後に畳み掛けるように、青嘉が雪媛に会いに行くシーン。ああ、雪媛は自分の心に正直に向き合えるようになったんだと思いました。見ないふりをしていた愛に飛びついちゃうなんてテンション上げですね。しかもその出会いを運悪く皇帝が目撃するもんだからもう愛と嫉妬でめちゃくちゃなラストですよ。雪媛が嫉妬で妃を流産させたと思って皇帝はむふふって喜んでたのに。燃えたぎる炎。

次巻がとっっっっっっても楽しみです。

 

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sitibusayo.hatenablog.com